天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
予兆~MASATO~
白い煙が俺の視界だけでなく頭の中まで埋めていく
昔からそうだ
考えごとをするときはタバコを吸う
屋上には俺だけ
邪魔をするものはいなかった
フェンスに背中を預け、コンクリートの床に座る
昨日の俺はおかしかった
あいつを助けたところまではよかった
まさかまた泣き出すなんてな…
あまりに予想外過ぎて、らしくもなく慰めてしまったくらいだ
さっきもそうだった
あの元彼のことになると大原は途端におかしくなる
それが何故だか悔しかった―…
あいつの心を激しく揺さぶる元彼の存在が気になって気になって…
突き動かされるように奪ったあいつの唇
俺は煙を吐き出し、頭をガシガシとかいた
あんなことをするつもりなんて全くと言っていいほどなかった
あーあ…
俺って欲求不満なのか…?
まさかあいつに欲情するなんて…