もし

引っ越し………!!!!????



あーーーーーっ!!!!



「…───てっちゃん!!??」



間違いかもしれない。でも聞かずにはいられない。



「てっちゃんなん!!!???」


幼なじみで1つ年上の小山哲(こやまてつ)、あたしにとってお兄ちゃんみたいですごく大切な存在。



保育園にも幼稚園にも行ってなかったあたしとてっちゃん。



家が近所なわけじゃない。



小さい頃、あたしが1人で公園のブランコに乗ってたらいきなり話しかけてきた男の子。



『なぁ!なんで鳥って空飛べんねやろな?』



あたしはその意味のわからないことを聞いてくる男の子になんにも答えなかった。



『ブランコって空飛んでる気分にならん?』



それでも絶えず話しかけてくる男の子。



男の子は1人でしゃべって1人で笑って、よくわからないけどあたしも楽しい気持ちになれた。



あたしがクスッて笑った時、



『俺がブランコ押したる!』



って笑顔で言って、男の子はずっとあたしのブランコを押してくれてた。



それがてっちゃんだった。

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