もし


あの頃はわからなかったけど、てっちゃんって……。


「瑞希すげぇかわいくなってる!!!」



相当かっこいいんだなぁ。


「髪染めてるしメイクしてるし最初誰かわかんなかった!でも笑った顔はガキん頃のまんまだなっ」



イシシって笑うてっちゃんの大きな手が、あたしの頭にポンポン置かれる。



やばいっ!



てっちゃんやばいっ!



かっこよすぎるよーーー!!!!



「てっちゃんっ!お、おかえり!!」



幼なじみなのに、お兄ちゃんみたいな存在なのに、今ドキドキしてる自分が情けない……。



平常心保って、笑顔で言う『おかえり』本当は嬉しくて嬉しすぎて、ブワーって泣いちゃいたいほどなのに。



聞きたいこともいっぱいある。



なんであたしに何も言わないで引っ越したの?



なんで今、てっちゃんがここにいるの?



どうやって空飛んだの?



なんで、あたしがわかったの?


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