もし


ようやく泣き止んだあたし。久しぶりの懐かしい匂いに安心した。



あたしのせいで、鼻水まみれのてっちゃんのパーカー。



むふふ。ごめんごめん。なんて謝ってるけど気持ちはこもってない。



てっちゃんのパーカーがもっと鼻水だらけになったらいいのになぁ!



もっとあたしだらけに染まればいいのに。



なんて考えながらてっちゃんと校庭を出る。



あたしはもう今から学校に戻る気なんてさらさらなかった。



だって!まだ授業終わってないし。



このままてっちゃんとバックれたい。



「てっちゃん公園いこう!」



ものすごい笑顔で言ったのに、



「だ〜め!」



と、ムギュウってほっぺたをつままれるあたし。



今あたしものっすごいブチャイクなんすけど………。



「学校終わったらなぁ」



なんてのんきに言うてっちゃん。



「へいへい」



と、ブチャイクなままうなづくあたし。

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