もし


今目の前にいる憧れの高橋涼也先輩に、あたしは今日の朝ハッキリと振られた。



あたしは先輩の、明るい茶髪の猫っ毛の髪といい、顔立ちがハッキリの日本人離れしたルックスといい、チャラチャラしているように見えて成績がトップなギャップといい、全てが素敵で大好きだ。



でも、



『瑞希のことは好きだけど妹以上には見れない。』



なんて言われたら、落ち込みを通り越して開き直っちゃいますよ。



だったら先輩の妹でいい。だから今まで通り先輩と後輩として一緒にいたい。



そう言った。



でも今思うんだ。あたしは先輩の何を知っているんだろう?



先輩は何が得意で、何が苦手で、誕生日はいつで、血液型は何型で。



あたしは先輩の何も知らない。



あたしは先輩のどこが好きなんだろう。



そう思ったら虚しくて。



もしかしたら、てっちゃんと先輩を重ねてただけなのかもしれないって思えてきて。



ただどこかでてっちゃんを探していただけなのかもしれない、なんて都合のいいことを考えていた。


< 16 / 16 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop