もし



息切れが半端じゃない。こんなに全力で走ったのなんて小学校の運動会以来……。



校庭のど真ん中で、両膝に手を当てて息切れしているあたし。



どんなに校庭を見渡してもさっきの男子はいない。



やっぱり……幻だったんだ。



だとしたらあたし、そうとう頭イッちゃってるなぁ。


なんて全力疾走した自分を恥ずかしく思っていた……ら!!!!




「みっずきーー!!!やっぱり会いにきてくれたっ」


後ろから覆いかぶさる知らない低い声。でもどこか懐かしい声。



後ろからいきなり抱き締められて身動きが取れない……。



「俺すげー瑞希に会いたかったぁ!」



………は?



だれ?



なんであたしの名前知ってるの?



「ごめんなぁ。いきなり引っ越しなんてまぢないよな!!」



…………引っ越し?



引っ越し………??



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