年下のきみ
「前にも話した事あったけど、私がこの家に来た時

鉄郎くんとはほとんど会話がなかったのよ。

私、ちゃんと鉄郎くんと向き合えてなかったのよね。」


お母さんはここに来た頃を思い出しているかのように話始めた。


「鉄郎くんが中学にあがったと同時に籍を入れてね。

すぐ莉子を妊娠している事がわかったの。」


私はただお母さんの話を聞いていた。


「正直不安だった。

鉄郎くんとも馴染めてなかったし。

でも、産まれた莉子をみて、鉄郎くんが笑ってくれた時はすごく嬉しかった。」


お母さんは目に涙をうっすら浮かべて話している。
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