桜の木の下で
「きゃあ!!」

私は叫んでうずくまった。

あれ…暑くない?

おずおずと前を見ると刹那が狐火を払っていた。

「せ、せつな」

「瑠璃無事か?」

「う、うん。」

「刹那様!!!やはり眠りから目覚められたのですね!!」

嬉しそうに仙樹は刹那に抱きついてきた。

ふえ?
これがさっきまで怒ってた
仙樹さん?

「これ、仙樹離すのじゃ。」

迷惑そうに刹那がつぶやく。

「だって…だって仙樹とても寂しかったんですの!!さあ早く帰りましょ?」

「わしは帰らん。瑠璃のそばにおるからの。」

「る、り?」

「わしが待っていた桜乙女じゃ。」

「あの刹那様の後ろにいる小娘がるりですの?」

「口を慎め仙樹。」

「だって刹那様!!私はるりのこと気に入りませんわ!!刹那様のこと呼び捨てで呼ぶし、弱いし…」

「仙樹。」

びくっとした。
刹那は怒っているのか凄い妖気が出ている。



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