桜の木の下で
「瑠璃、話を聞いておったか？」

こくんと頷いた。

「わしは狐の世界に1度帰らねばならぬ。3000年眠っておったからのう。大長老に迷惑をかけてしまった。だからそれについて話してくる。」

「そう。」

私はなんて言ったらいいのかわからなくて一言しか言えなかった。

「でわ仙樹がまっておるからの。いってくる。」

そう言って背を向けた刹那。

待って！！私はとっさに叫んでいた。

「い、いつ帰ってくるの？」

私が急に叫び出したので驚いて刹那が振り向いた。

「え？」

「だからい、いつ帰ってくるの？」

なぜか泣けてきて言葉に詰まりながらなんとか言えた。

「すぐじゃよ。おぬしのもとにすぐ戻ってくるから心配はいらぬぞ。」

声色からきっと刹那は微笑んでいる。
だけどいま顔あげたら涙が落ちちゃうよ・・・・

「そっか。」

やっぱり私はそっけない返事になってしまう。
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