桜の木の下で
そうすると不意に後ろから気配を感じ振り向くと仙樹さんがいた。

「あなた本当気に入らない。」

「え?」

「弱いし、泣き虫だし、刹那様に似合わないわ。」

「あなたにそこまで言われたくないわ!!」

「まあいいわ。どうせもうあなたは刹那様に逢いえないもの。」

「え?」

「いいわ。私とても機嫌がいいから教えてあげるわ。刹那様が狐の世界に帰るのは知っているわよね?」

「はい。」

「狐の世界に帰った刹那様は二度とこちらの世界にこれないわ。」

「え!なぜ!?」

「狐の世界の術師が出られないようにまじないをかけているのよ。もし刹那様に逢いたいならば、こちらの世界に来ることね。まあそれほどの力があるとは思えないけれどね。」

そう呟き仙樹さんは消えた。


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