桜の木の下で

「ねえ瑠璃?まずなにが
あったの?話して?」

優しく姫に問われて
刹那のこと
私が桜乙女のこと
百合さんのこと
をすべて話した。

「そう。ここ数日でずいぶんいろいろなことがあったのね。」

「そうなの。ねえ姫?この私の気持ちなんだと思う?刹那のことを考えると胸が苦しくて、刹那が百合さんの話をすると寂しくて泣きたくなるの。」

「瑠璃、あなた恋をしたのね」

「え?」

「あなた刹那さんに恋をしているのよ。」

「こ、い?」

「そうよ。」

優しく頷く姫。

「だ、だって姫?私刹那にあったばかりなんだよ?なのに恋なんて」

「ねえ瑠璃?恋に理屈や時間は必ずしも必要なのかしら?私たちは出逢ってすぐに仲良くなったわよね?それに理屈は必要かしら?」

「いら、ない。」

「そうよね。それと同じ事じゃないのかしら?恋に理屈をつけるのは逃げている証拠よ。」

「逃げている・・・。」

「自分に向き合いなさい。」

「自分に、向き合う・・・。でもね姫。私桜乙女なのにちっとも強くないし・・・。」

「あら。あなたは弱いんじゃないのよ。霊力が眠っているだけ。」

「眠っている?」

「ええ。あなたの霊力は私よりも強いわ。ただそれは封印されているみたいだけれどね。」

「封印?なぜ?」



< 40 / 89 >

この作品をシェア

pagetop