桜の木の下で
「ねえ瑠璃?まずなにが
あったの?話して?」
優しく姫に問われて
刹那のこと
私が桜乙女のこと
百合さんのこと
をすべて話した。
「そう。ここ数日でずいぶんいろいろなことがあったのね。」
「そうなの。ねえ姫?この私の気持ちなんだと思う?刹那のことを考えると胸が苦しくて、刹那が百合さんの話をすると寂しくて泣きたくなるの。」
「瑠璃、あなた恋をしたのね」
「え?」
「あなた刹那さんに恋をしているのよ。」
「こ、い?」
「そうよ。」
優しく頷く姫。
「だ、だって姫?私刹那にあったばかりなんだよ?なのに恋なんて」
「ねえ瑠璃?恋に理屈や時間は必ずしも必要なのかしら?私たちは出逢ってすぐに仲良くなったわよね?それに理屈は必要かしら?」
「いら、ない。」
「そうよね。それと同じ事じゃないのかしら?恋に理屈をつけるのは逃げている証拠よ。」
「逃げている・・・。」
「自分に向き合いなさい。」
「自分に、向き合う・・・。でもね姫。私桜乙女なのにちっとも強くないし・・・。」
「あら。あなたは弱いんじゃないのよ。霊力が眠っているだけ。」
「眠っている?」
「ええ。あなたの霊力は私よりも強いわ。ただそれは封印されているみたいだけれどね。」
「封印?なぜ?」