桜の木の下で
「あなたの役にたちたいとおもったからかな。」

優しく微笑む百合さん。
でも百合さんだって刹那の事が好きなはず。なのにどうして?

「でも百合さんはまだ刹那の事好きなんですよね?」

「そうね。正直刹那の事は好きよ。でも恋愛的と言うよりは、もう家族と言うようなかんじかしら?」

「家族?」

「ええ。それに刹那の様子をみてたら、ね!」

「え?」

「ううん。なんでもないわ。」

いたずらっぽく微笑む百合さん。本当に本当に素敵な人。

そうしたらいきなり百合さんの全身が光始めた。

「え?百合さんどうしたんですか?」

「時間が、来たのね。」

「時間?」

「最初に言ったでしょ?あまり長くはいることができないって。」

「っでも!」

「瑠璃さん。狐の世界に行くなら次の満月がいいわ。狐の世界は人間界の時の流れるスピードの倍の遅さだから大丈夫よ。それと刹那に私は祝福しているわよって伝えてね。」

「え?」

「お願いね。」


そう呟くと百合さんはやはり綺麗な微笑を残して消えていった。

< 50 / 89 >

この作品をシェア

pagetop