桜の木の下で
「ああ、この桜から刹那は狐の世界に行ったものね。」

夢だと思えないほどのリアルさだった。

そして私は決意した。
刹那にかならず会いに行く。

手には百合さんから受け継いだ弓と矢がしっかりと握られていた。

百合さん。私絶対刹那を連れ戻します。

空を見上げそう胸の内で呟くと心なしか百合さんが笑ったような気がした。


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