桜の木の下で
「ねえ瑠璃?」
唐突にお母様が話し始める。

「なあに?」

「あなた桜乙女なのでしょう?」

「え?」

「夢でね。刹那様に会ったの。」

「夢、で。」

「代々継承者の夢に出てくるのは聞いているでしょう?」

「うん。」

「そこでね、私の娘、つまりあなたが桜乙女だという事を聞いたの。」

「そっか。」

「刹那様に逢い行くのでしょう?」

「え?」

「あなたの本当の霊力が解放されたのは分かったわ。それに夢でみたから。」

「夢で?」

「ええ。私の力なのよ。過去を夢でみる力が私の力なのよ。」

「初めてきいた。」

「今まで喋ってなかったものね。ねえ瑠璃?刹那様にそんなに逢いたい?」

「お母様・・・私刹那にどうしても逢いたいの。刹那の言いたいことも聞きたいし、私も言いたいことがあるの。だから・・・」

「行って来なさい。」

「え?」
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