桜の木の下で
「あ、ちょ、ちょっと待って?」

そう言うと不思議そうな顔する刹那。
私は仙樹さんのそばにかけよる。

「な、なによ。」

そう言ってこちらを見る仙樹さん。
そんな仙樹さんの手を握る。

「あなたに幸多からんことを祈ります。」

そう呟く仙樹さんは驚いた顔をしていた。

これも魂の樹記憶が私に覚えさせたまじない。だったら一番初めにこの人に使いたい。

だから使ったんだ。

「それじゃあ!」

そう言って刹那に元に駆け寄ると刹那は優しく頭をなでてくれた。

「さあ。戻るぞ。」

「ええ。」

そう言って戻ろうとすると突然声が聞こえた。

「私、あんたのこと認めたわけじゃないわ!」

「ええ。」

やっぱり、そうだよね。

「だけど、ありがとう。」

そう言ってそっぽを向く仙樹さん。

「ええ!」

私この人のこと好きかも知れない。

そして二人で人間界へ帰ってきた。


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