俺に敵なんざいねぇ
「颯、ごめん!」
「ホンマにごめん!」
女のいなくなった資料室の中でトウマと隼人が俺に両手合わせて必死に謝ってる。
「…ったくよ、せっかく苦労してゲットした女だったのによ。結局テメェらのせいで逃げられたじゃねぇか」
「ホントごめん!」
「ホンマにごめん!」
「資料室の外でメガネの男子に見張っててもらたのによ」
「それはトウマが脅した」
「な、何で俺なん?!俺やないで!」
「お前しかいない」
「隼人はウソつかねぇからな。トウマ、お前だろ」
「せ、せやからちゃうて!」
…チキショー。
せっかく女と久しぶりに出来ると思ったのによ。あの馬鹿野郎二人に邪魔されたせいで出来なかったじゃねぇか。おまけに、女には逃げられるしよ…
「で、でも何で颯カッコいいのに女、逃げたんやろな…?」
「テメェらがこれからって時に入って来たからだろうが」
「……やっぱり俺らが原因か…」
「ったりめぇだろ」