涙色の感情

「えっ?あの…」



私は、俯いたまま本に視線を戻す。



「はは、可愛いね」



そう言って彼は私の頭を撫でる。



初めて見る彼の笑顔。



彼の笑顔を見れただけで嬉しくなり、目から黄色の涙が出そうになる。



「桜って呼んでもいいか?」



「ええ、いいですよ」



「俺のところも龍輝でいいからさ」



「は、はい」



…。



< 41 / 86 >

この作品をシェア

pagetop