涙色の感情
「俺も凄い、嬉しいんだけど」
彼は少し赤くなった頬で私に真っすぐな笑顔を向けた。
彼の笑顔を見るたび、どんどん彼を好きになり引きかえせなくなる。
宮坂さんがこのことを知ればなんて言うのだろう。
もう、一緒に居られなくなってしまうだろう。
それでもいいから、私は彼を手に入れたい。
「あの、私そろそろ帰らなくちゃ…」
私がそう言って席を立つと。
「俺送るよ」
「いえ、悪いですよ」
「送りたいんだ」
そう言って私は図書室を彼と一緒に出た。