初恋フレーバー
ある日の放課後、

淳はアルバイトの面接を終え

駅前にいた。



すると前に自転車を押す

春香を見つけた。



「おーい、春香ー」



春香は髪をなびかせ

振り向いた。



「淳くん?」



「春香何してんの?」



「そこの本屋さんに
行ってたの。
淳くんは?」



「俺?俺はバイトの
面接行ってきたんだ。
向こうにスーパーあるだろ?
そこにねっ」



2人は話しをしながら

歩き出した。



「そうなんだぁ。
いいなぁバイトとか。
私もやってみたいんだけど
親がダメって言うから…」



「そうなんだ…
バイトくらい
いいじゃんね?」



「うん…でも親には親の
考えがあるみたいだしね…
でっどう?受かりそう?」



「さぁ?どうだろっ?
店長さんは優しそうな
人だったし、
ここなら学校からの
帰り道だから便利なん
だけどね…」



「そっかぁ…
受かるといいねっ」



春香は並んで歩く

淳の顔を覗き込みながら

笑顔でいった。



淳はドキッとした。

春香のその口調に、

その笑顔に…



そして何より

その瞳に…

吸い込まれそうになった。



「おっ…おぉ。
ありがとう…」
< 10 / 16 >

この作品をシェア

pagetop