初恋フレーバー
帰り道…

千鶴と淳と

別れた青希は、

朝の出来事を

思い返していた。



春香の手の感触が

今も手に残っている。



握った春香の手は、

柔らかくて…

少し冷たい…



そしてその指は、

細くて…

しなやかで…

強く握ると折れて

しまいそうで…



でも、

ずっと握っていたかった…



青希にとって

こんな感覚は

初めてだった。



まだよく知らない…

今日初めて話した

ばかりなのに…

俺は春香を

好きになって

しまってるのか?



そんな考えが

青希の頭を

駆け巡っていた。



春香は誰もが

認める程の

美少女だ。



今まで青希の周りには

居なかった程の…



青希は春香への

想いを自覚することに、

抵抗を感じていた。



友達で十分だと…



春香に恋することは、

同時に失恋する

ことでもある…



青希は叶わぬ恋だと

自分に言い聞かせ

ようとしていた。



しかし…

溢れ出す感情は、

そう簡単に抑えれる

ものではなかった…



気づけばいつも、

春香のことを

考えている自分がいた。



初恋



青希は行き着く答えが

その一つしかない現実を、

受け入れるしかなかった…
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