** 砂糖菓子 **
また、場違いな質問をしてしまった。
「…知らないのですか?安藤財閥のご令嬢様だからですよ」
そうなんですか……。
世の中はやはり広いもので、
狭いもので、
遠くの人が近くにいる。
そんな複雑な気持ちになった―……。
「すいません香恋様」
謝り、名前を言いなおすと香恋さんは、
「良いのよ、さんで。むしろ香恋が一番良いわ」
まるで、輝く湖にように美しく煌びやかな笑顔も見せ言った。
ここは、お言葉に甘えていいのかしら……?
あの時のように、ならない…………??
――――――。
「でも…香恋…さん」