玉依姫

「うん」

勒天はふと、手元の巾着を手にとった。

「そうだ、姫宮様」
「なぁに?」

巾着の中から、一式を取り出す。
その中の一つを凛子に手渡す。

「お雛遊びでもいたしましょうか」
「………うん!」

凛子に渡したのは、女雛だった。

< 28 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop