恋患い




『ありがとう先生。先生も辛かったよね…』



先生は涙目になって



『ううん、
違うよはるチャンっ』


といった。




『はるは偉いよ…
反抗期だってなくて、いつも笑顔で検診に耐えて。
だから…だから…』




3人とも泣いた。




ようやく自分を
知ったような気がする。




ほんとは見栄っ張りの
いじけ野郎で…




実は逃げてたんだって




病気のせいにして



先生のせいにして



病院のせいにして…



逃げてたんだ。



もう、やめよう



こんな生活………




こんな日々………





そしたらなんだか


ふとあるかおりを
思い出して…




『先生…??』




『なぁに??』



『海が…みたいな…』



『明日行こうか…』




とにかく前に
進みたかったんだ。
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