現代版 浦島太郎
「あの子たちも、きっと明日からゴリラを愛してくれるだろう。」

太郎はそういって一人うなずいた。すると…

「あのー」

ゴリラが話しかけてきた。

「うわぁ!ゴリラがしゃべった!!!」

「いまどきのゴリラはしゃべるんです。」

冷静にゴリラはこたえた。

「で、ゴリラがなんの用でしょうか…」

「ゴリラではありません。ゴリ ゴリ太です。」

「はぁ。で、何の用でしょうか?ゴ、ゴリさん」

「はい、わたくしこういうものです。」

ゴリさんは懐から名刺をとりだし太郎に渡した。

「バナナの国、リラ姫の執事 ゴリ ゴリ太…で、なんの用ですか?」

「はい、助けていただいたお礼にバナナの国にご招待します。」

「はぁ。でも、俺夕食たべなきゃいけないんで。」

「バナナの国にはバナナのケーキにバナナのクッキー、バナナシェイク…ほかにもたくさ んのおいしいバナナ料理がありますよ。」

「よし!いきましょう!」

「はい、では背中に乗ってください。」

「えっ!?」

「私の背中に乗ったほうが速いんです。」

そういってゴリさんは太郎を背中にのせた。

「では、いきます。しっかりつかまっててくださいね。」

「えっ、ちょっ…うわぁー」

静かなジャングルのなかに太郎の悲鳴だけが響き渡った。





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