たった一言が言えなくて。




ひとしきり笑って、静かになる2人。


…………


沈、黙。


「……あの、さ」


先に口を開いたのは、龍だった。


なに?という意味をこめて私は頷き、龍の目を見る。



「俺の父さん、再婚するらしいんだ」


「えっ」



龍は、小さい頃にお母さんをなくし、今はお父さんと2人暮らしをしているって、前に聞いたことがある。


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