たった一言が言えなくて。

「桃香??」



私を見るお母さんの瞳は、
"賛成しかさせない"
と訴えている。


わかってるよ。



私はいい子だから。


本当の気持ちなんて言わない。



笑顔で頷けば、私が我慢さえすれば、全てが上手くいくと知っているから。



「……うん。お母さんが決めた事なら、いいよ」



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