たった一言が言えなくて。

……ほら、また。



お母さんが、私の偽物の笑顔に微笑んだ。


「桃香ならそう言ってくれると思ってたわ!」



「あは、はははっ…。当たり前じゃん」



……そんなこと、全く思ってないけど…。



上手くいくなら


お母さんの機嫌が悪くならないなら



……私は、いくらでも嘘をつく。




「そうとなったら、今から裕司さん達と一緒に食事へ行きましょ!
もう、約束はしてあるから」



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