たった一言が言えなくて。

さっさと支度を始めるお母さんを見ながら、私は小さくため息を漏らした。



なんなの…、もう。


裕司さん?
子供?
男?



向こうも子供持ちなんて…。


昔の事がフラッシュバックする。


信じられない

あの頃と同じだなんて。


信じたくない

あの人の名前と、似ているなんて――――


< 37 / 44 >

この作品をシェア

pagetop