たった一言が言えなくて。

夢だと、そう信じていた。



……そう、信じていたかった。



だけど―――………




「……ぁ、百合さん」



父さんの目線の先にいたのは




俺が座っているテーブルへと、一直線に向かってきたのは




紛れもない、





「………………りゅ、ぅ?」



俺の世界一大切な人。




桃香、だった。








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