あなたは誰と恋をする?《短編シリーズ》
屋上に連れてこられて、やっと腕を離してもらう。
「オ・・サム?」
あたしからは、オサムの背中しか見えないから表情がよめない。
「・・・簡単に触らせてんじゃねぇよ。」
「・・え?」
「お前、俺の女だろ?簡単に他の男に触られてるんじゃねぇよって言ってんの!」
「オサム・・・・」
「この間は悪かったな・・・
俺、誕生日とかクリスマスにトラウマがあって。」
「・・そうなんだ・・・」
「それに・・・いつも俺ん家とか、漫喫ばっかっていうのも・・・
俺が悪いんだ・・・。
なんっつうか・・・他の男の目に琴女を晒せたくないっていうか・・・」
「・・・・・・」
「メールも俺からっていうのは恥ずかしいというか・・・
好きとかいうのなんて、もっての外で・・・」
オサムはまだ背中を向けながら、自分の髪の毛をクシュっと掴む。
「・・それって、あたしが好きだからってこと??」
あたしはちょっと意地悪に聞く。
また、《うっせ》《そういうのめんどくせ・・》って言うんだろうけど・・・
「・・そうだよ。わりぃか・・・」
オサムはチラっと後ろのあたしを見て言った。