あなたは誰と恋をする?《短編シリーズ》
《授業後★上杉遼》
授業が終わり、ホームルーム。
先生の話を聞きながら、帰りの支度。
チラっと遼を見ると、いつものように机の上に携帯を置いて、左手で頬杖をつきながら右手で携帯をいじっている。
「こっち見ろ~~!!」って念を送ってみると、パッと目が合ったりする。
今のところ、目が合う率は10勝1敗・・・。
その1敗は遼が寝てた時だったんだけどね。
目が合って、にっこり笑ってくれるとキュンとする。
「じゃぁ、解散!井上!気をつけて帰れよ?」
「はぁーーい!」
先生は毎日あたしにだけ声を掛けてくれる。
「気をつけて」・・っていうのは、何に対して??
車に??道端の石に??それとも・・・・遼に??
「琴女ちゃん、か~えろ♪」
「うん!!」
遼は、いつも先生の話が終わるとすぐに迎えに来てくれる。
教室から出て、あたしは遼の左の袖をちょっと掴みながら少し後ろを歩く。
廊下で横に並んで歩くと、みんなの邪魔になるからなんだけど・・
「「遼、じゃーな♪」」
「バイバーイ♪」
「遼、明日漫画忘れんなよ??」
「りょーーーかーーーい♪」
擦れ違う子みんなが遼に声を掛ける。
遼って女の子だけじゃなくて男の子にも人気があるんだよね。
遼と付き合いだしてから、あたしも色んな男の子に声をかけられるようになった。
「あ!!琴女ちゃん今日はノートありがとね!!また明日ね♪」
「うん!いいよ♪また明日ね♪」
そう言った途端、バフっと遼の背中に顔が当たる。