あなたは誰と恋をする?《短編シリーズ》


「さぁて・・・帰るか」



オサムはそう言うと、ムクっと立ち上がりスタスタと教室を出て行く。



「待ってよ!!」



あたしはオサムの後を追いかける。





いつもそう。



オサムはあたしの歩幅とか、歩く速さとかまったく気にしてくれない。



「オサム待っててばぁ!!」



「・・・・・・」




どんどんオサムとの距離が遠くなる・・・





もう・・怒った!!





「もぉ、知らないっっ!!自己チュー!!バカ!!」




誰もいない廊下にあたしの声が響いた。





するとオサムは立ち止まって、チラっとあたしの方を見る。





「俺、4時から見たいテレビあるんだけど?」




・・・そ、そんなの知るかぁ!!!!





今日はあたしが自己チューになってやる!!!






「・・・手・・・」




「はぁ?!」




「手・・・繋いでよ・・・」




「なんで?」




「手繋いでくれないと一緒に帰らない!!」



一瞬オサムの表情が強張った。




・・・あ・・・ヤバイ・・・オサム怒ったかも・・・




するとオサムは、ハァ~~と深いため息をついて言った。




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