あたしの愛、幾らで買いますか?
それを見て、朔羅は声を出して


「あはは」


と噴出したように笑う。


「なぁに?」


あたしが少しムッとして

朔羅の方を見る。

そんなあたしを運転中の朔羅は横目で

チラリと見て、こう言う。


「可愛かったから」


彼の言葉に心が大きく反応する。

心が大きく飛び跳ねる。

頬がポッと熱くなるのがわかった。

きっと赤いのであろう。

唇の端っこが上がりそうなのを

必死で抑える。

そして、

やっと言えた言葉が


「ふ、ふ~ん…」


それだけだった。

それが精一杯だった。

本当は嬉しかったんだ。

だけど、

素直に喜ぶのが悔しいから

あたしは天邪鬼な反応をみせた。




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