あたしの愛、幾らで買いますか?
だって、

どうやって喜んだら良いのか

わからないし。


「あゆ、にやにやしてる」


あたしが喜んでいるのを

隠していたのに、彼にはバレバレだった。


また赤信号に引っかかる。


彼はハンドルを抱えて、

あたしを見つめてくる。


「あゆ。
 可愛い…」


そう言いながら、あたしの髪を撫でる。

肩程しかないあたしの髪の毛を、

サラリと指に絡める。


「あゆ」


彼が、そう呟いて

あたしの額に唇を寄せる。


あたしって、簡単なのかな?

朔羅の少しの行動でドキドキさせられる。

彼に呆れられちゃわないかな?

どんどん大きくなる。

彼の存在が。




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