あたしの愛、幾らで買いますか?
「やった!
 じゃ、放課後。
 約束だよ?」

「あ…うん。
 でも、エリ…」

「何?」

「あたし、
 遊び方とかわからないよ?」


鳩が豆鉄砲を食らったような顔

と言うのは、今のエリの表情の事を

言うのかな?

だけど、彼女の表情はすぐに

元の笑顔に戻る。


「じゃあ、
 エリさんが教えてあげますよぉ」


エリが自分の胸をポンと叩く。

あたしは、

友達が多いわけでもない。

高校に入ってからは、

減っていくばかりだ。

放課後遊んだ事がないわけではない。

ただ、

忘れた。

どんな会話をして、

どんな風に笑って、

どんな風に遊んでいたかを

忘れた。




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