あたしの愛、幾らで買いますか?
そして、

あたしは再び授業に集中する。

授業さえ聞いていれば、

塾なんて行かずに済む。


あたしは大学進学とか

望んではいないし。

とりあえず、

早く大人になりたい。

自立したい。


それだけ。


無事に授業が終わり、

掃除当番ではない、あたしとエリは

真っ先に教室を出る。


「百合子に見つかる前に行こう?」


エリはあたしの手を引っ張って

下駄箱まで向かう。

エリの屈託のない笑顔。

とても可愛い。

スラリとしている彼女は

髪も綺麗な栗色で、

アーモンド形の目が印象的だ。


「歩美、
 今日は何時くらいまで平気?」

「んー…
 夜は少し予定があるから」

「じゃ、遅くならない程度にしようか」


こんなあたしを気遣ってくれるの、

エリくらいだな。



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