あたしの愛、幾らで買いますか?
今日も退屈な学校が終わる。

帰りのHRも終わって、

あたしは教室を飛び出す。

背後からは百合子たちの痛い視線。

でも、平気。

だって、今日は朔羅と会える日。

いつかみたいに、

彼は校門近くに車を止めて

待っていてくれている。


【学校の校門より少し離れたところで
 待ってる】


昼休みに彼からメールがきた。

3ヶ月経っても、

あたしは相変わらず彼を想って

心が跳ねる。


校門まで走って、左右を見渡す。

あった。

朔羅の車。

黒い車だから、一見怪しいけど。

中には車みたいな黒い瞳をした

朔羅が待っている。


小さく息を切らせているあたしは、

大きく息を吐いて、

助手席のドアを開ける。


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