あたしの愛、幾らで買いますか?
しばらく、車は緩やかに

進んで行った。

見覚えのある景色。

あの時とは少し違うのは

夕焼けじゃない事。


朔羅が走らせているのは、

3ヶ月前

あたし達の心が少しだけ触れ合った

海岸だった。


「あ…」

「どうした?」


あたしは、この前エリと

遊んだ時の事を思い出した。


「この前ね、
 学校の帰りに友達と
 遊んだんだけど…
 その時にね、本屋さん行って」


あたしは雑誌に朔羅に似ている

俳優が居た事を伝えた。

運転しながら煙草を吸う彼。

時折咳き込むあたしを気遣って

窓を開けてくれる。

そんな事がいちいち嬉しい。



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