あたしの愛、幾らで買いますか?
座っとけって言ったって

どこに座ればいいんだろう。

キョロキョロしたって失礼だしね。

とりあえず、

あたしはベッドに腰掛ける。


しばらくして

また、トントントンと階段を上がる音。


部屋の扉を開ける笹井。

手にはペットボトルとグラスが二つ。

口にはスナック菓子の袋を咥えている。


「ほまひゃへ~」


たぶん


『お待たせ』


と言ったのだと思う。

あたしは、彼に近寄り

スナック菓子の袋を手に取る。


「呼んでくれれば、
 取りに行ったのに…」

「いいのいいの。
 お客さんはゆっくりしてれば」


あたしと笹井はちゃぶ台みたいな

低いテーブルに

飲み物とお菓子を置いて

向かい合って座る。


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