あたしの愛、幾らで買いますか?
あたしの為ならば、

笹井の読み違えだな。

教室に戻ったら、

言葉の刃で切りつけられる。

ダメージはないけれど。

あたしじゃなかったら、

簡単に傷つくんじゃない?


…女って面倒。


妥協すればいいのに。


【私が一番】


そう思ってるから割り切れないし、

友達同士でも探り探りの会話だし。


―ガラッ


中身が減っていないお弁当箱を持って

教室へ戻ってきた。

数人の女子達は教室の扉の音で振り返る。

他の女子達は当然無視。

あたしを空気のように‘無’としての扱いだ。

彼女達の取り巻きの男子も同じ扱いをする。

取り巻きの男子なんて5人くらいだけど。

そんな不細工5人引き連れてるだけで

女王様気取りなんて、

幸せ者だなって感心しちゃう。


その所為なのか、

笹井と普通に喋るあたしに突っかかる。






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