あたしの愛、幾らで買いますか?
「何で捨て猫だと思うの?」


あたしが聞いてみると

笹井は少し考え込んでしまった。


「なんか…
 なんとなく?」

「答えになってませんね」

「あ。
 一匹狼的なところ?
 簡単には懐きませんよオーラが
 ひしひしと伝わってるからかな?」

「それ、誉められてるの?」

「…誉めてねぇな!」


クスクスと笑うあたし。

正面に座っていたはずの笹井が

いつの間にかあたしの隣に座っていた。


ふと沈黙が訪れる。

右側に居る笹井の手が

あたしの髪を撫でる。


「…なに?」

「何でもねーよ
 バーカ」


そして少しずつ少しずつ近付いてくる

笹井の顔。


そして

触れる唇―…。

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