あたしの愛、幾らで買いますか?
「おっまったせぇ~」


エリが歌うように言いながら

あたしの隣へ来た。

あたし達の首にはマフラーが

巻かれている。

今日から解禁した

あたしのマフラー。


笑いながら廊下を闊歩する

あたしとエリ。

廊下を笑いながら

歩ける日が来るなんて

思ってもみなかった。


下駄箱から黒い革靴をボンッと置き

難なく履く。


校舎を出て、風の所為で少し寒いけれど

太陽のお陰で朝より少し暖かく感じた。


「あのカフェね」

「ん?」

「ほら、‘綺羅’ってカフェ」

「うん」


エリの話によると

店内が少しだけ冬仕様になっていたらしい。

とても可愛いからあたしにも

それを教えたかったみたいだ。





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