あたしの愛、幾らで買いますか?
ゆっくりゆっくり

ヤケドをしないように猫舌なあたしは

息を吹きかけながら

甘い甘いそれを満たされない体に取り込む。

甘い物はイライラを忘れさせるのは

本当だった。

スーっと眠りにつく前の感覚に

似ているような気がする。


あたしは早く朔羅に会いたくて、

何度も何度も

着信もメールも着ていない携帯を

パカパカと開けたり閉じたりを繰り返す。


もしかしたら、

この世の時間は

止まっているのかもしれない


そんな風に下らない事を考えてしまう程、

時間が過ぎるのが遅く感じた。

見なければいいのに

あたしは携帯の時計を見てはガッカリとする

そんなループにはまっていた。

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