あたしの愛、幾らで買いますか?
でも、

それにも限度があった。

化粧直しが終わって携帯を再び開く。

そこに表示されている文字に

あたしは深く息を吐く事しかできなかった。


すっかり冷え切った

甘い甘いコーヒーを飲み干して

あたしは店を出る。


…どこで時間を潰そうか。


あたしは、駅周辺をひたすら歩いた。

グルグルと駅ビルを回ったり

洋服を見ながら。

意味もなくメンズフロアに

立ち寄ってみたり…

メンズフロアに足を踏み入れて思うのは

朔羅の事ばかりだった。


朔羅に似合いそうな服だな

朔羅に似合いそうなリングだな

朔羅に似合いそうなマフラーだな


こんなにも

あたしは彼の事ばかり考えてる。


彼に会えるまで

あと少し。



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