あたしの愛、幾らで買いますか?
当然、彼の答えは


「なんで?」


そんな素直な疑問がぶつけられる。

だから、

あたしは言うの。


「朔羅んち行ったら…
 帰りたくなくなっちゃうから。
 離れたくなくなっちゃうから。
 学校行くっていう約束を
 破っちゃいそうだから。
 だって、本当は…」


真っ直ぐな気持ちを

素直に口に出してみた。

だけど、

最後の一言を言おうとした時

鼻の奥がツンと痛くなった。


あ、

あたし泣きそうだ…


「あたし、好きだもん。
 朔羅と離れたくないんだもん」


数ヶ月前のあたしなら

絶対に言う事のない言葉だった。

あたし、無条件で朔羅の事なら

信じられると思う。

だって、

あたしの気持ちは本物だと思うから。


あたしの朔羅への愛は

‘ホンモノ’

その言葉しか当てはまらないから。

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