あたしの愛、幾らで買いますか?
しばらくして、

沢山のネオンが徐々に減ってきた。

そして、綺麗なマンションが立ち並ぶ

住宅街へと車が入っていく。


「ここら辺なの?
 朔羅の家…」

「うん」

「高そうな所だね~…
 あ、
 まさか、朔羅ってイイトコロの人?」


小さくはしゃぐあたしに

彼は運転をしながら笑みを零す。


「前も言ったろう?
 家は普通だよ」

「じゃー
 朔羅は金銭的にイイ仕事してるの?」


つい口から出た言葉だった。

彼の瞳の奥から、

温かさが消えていくのを感じた。


「あゆ、
 女の子はあんまり
 そういうこと言わない方がいいよ?」

「そう…だよね。
 ごめんなさい」


素直に謝るあたしに、

彼は


「あゆは素直で可愛いね」


そんな言葉を言ってくれる。

でもね、

そうさせてるのは、朔羅なんだよ?

知ってる?

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