あたしの愛、幾らで買いますか?
朔羅の甘い香水の匂いに包まれると

とても落ち着く。

彼のジャケットが

ひんやりとしているけれど

その奥から聞こえる鼓動は

温かさを感じさせる。


あたしの頭には朔羅の大きな手。

あたしの愛しい人。

まだ

『愛してる』

なんて言えないけれど、

いつか朔羅に言いたい。

それが、今のあたしの夢。


でも、

あたしは今、

彼に聞かなければならない事がある。

甘い時間はお終い。

恐怖の時間に変わるか

甘い時間が続行になるか…

それは、あたしだってわからない。

朔羅次第だから。

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