あたしの愛、幾らで買いますか?
あたし達は手を繋いだまま
マンションの入り口へと向かう。
―ピピピッ
慣れた手つきで
オートロックを解除する朔羅。
毎月の家賃が気になってしまうほど
綺麗な建物だった。
あたしが住んでいる古いアパートとは
比べ物にならない。
いや、むしろ比べたらいけない。
ロックが解除されると同時に開く硝子の扉。
そこに吸い込まれるように入っていく
朔羅とあたし。
綺麗でピカピカな廊下。
一面が白くて、汚れを知らない色。
そこに居るだけで、
あたしの黒ずんだ過去が
浄化される気がした。
…そんなのは幻だって
知っているけれど。
エレベーターが到着して
再び吸い込まれるように、
それに乗り込む。
「お城みたいなところだね」
「じゃ、あゆは
今‘お姫様’だね」
「…似合わないって
思ったでしょう?」
「そんな事ないよ」
そんな話で笑い合う。
凄く幸せ。
夢なら覚めないでね。
現実なら、このまま続いてね。
そんな事を小さく願う。
マンションの入り口へと向かう。
―ピピピッ
慣れた手つきで
オートロックを解除する朔羅。
毎月の家賃が気になってしまうほど
綺麗な建物だった。
あたしが住んでいる古いアパートとは
比べ物にならない。
いや、むしろ比べたらいけない。
ロックが解除されると同時に開く硝子の扉。
そこに吸い込まれるように入っていく
朔羅とあたし。
綺麗でピカピカな廊下。
一面が白くて、汚れを知らない色。
そこに居るだけで、
あたしの黒ずんだ過去が
浄化される気がした。
…そんなのは幻だって
知っているけれど。
エレベーターが到着して
再び吸い込まれるように、
それに乗り込む。
「お城みたいなところだね」
「じゃ、あゆは
今‘お姫様’だね」
「…似合わないって
思ったでしょう?」
「そんな事ないよ」
そんな話で笑い合う。
凄く幸せ。
夢なら覚めないでね。
現実なら、このまま続いてね。
そんな事を小さく願う。