あたしの愛、幾らで買いますか?
「おじゃましまーす…」


カチャンと鍵が開いて、

朔羅が軽くエスコートをしてくれた。


「わぁ…」


ここが彼が住んでいる場所。

凄く綺麗な部屋だった。

無機質でシンプルな部屋。

朔羅のイメージと

簡単に合致する部屋だった。

少し大きめの液晶テレビの前に

香水のボトルが1本。


「ねぇ、朔羅ぁ~
 テレビの前に置いてある香水って
 朔羅の?」


慌しく仕事に行く為の準備をしている彼に

あたしは聞いてみた。

それに対して彼は笑って答える。


「ここ、誰の家ですかぁ?」

「さーくらー!」

「そ。だから俺の」


今日の朔羅は、よく笑う。

それが嬉しい。


あたしは、

どうすればいいのかわからなくて、

つい彼の部屋をうろうろとしてしまう。


後ろからクスクスと笑う朔羅。


「ソファに座ってればいいのに」

「なんか、広くて…」

「可愛いなぁ~…」


ソファに腰を落とす彼。

あたしは、その隣にちょこんと座る。



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