あたしの愛、幾らで買いますか?
朔羅とあたしが揃ってリビングへ行く。

テーブルには二人分の朝食がある。

彼はそれを見て


「おぉっ」


と感嘆の声を上げる。


スープとカフェオレが少し冷えてしまった。

今はまだ冬だから、暖房を点けていても

すぐに温くなってしまう。


「スープ少し暖めてくるね」

「そのままでもいいのに」

「暖かい方がおいしいから」


お湯を入れただけのスープだけど、

冷えた体を温めて欲しいから

彼の分のスープだけレンジに入れて

温め直す。


朝食の前に座る彼。

少しだけ寝癖がついていて、

あくびが止まらないらしい。

今、居るのは


【滝川春人】じゃなくて

【朔羅】だ。

生活をしている朔羅だ。


―ピーっ


レンジがあたため終了を教えてくれる。

あたしは、レンジの扉を開けて

スープを取り出す。






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